ストーリー

--2005年、夏。

学園祭を二日前に迎えた海鳴高校。
海の日に学園祭が行われるという、風変わりな学校に暑い日差しの中、須貝俊樹が登校する。
この日は休日なのにも関わらず、登校せざるおえなかった。
理由は俊樹の悪友、西原礼治が、学園祭本番に向けて準備を強いれたからだ。

途中、喉の渇きを潤す為にジュースを買いに廊下に出た俊樹は、
礼治のバンド仲間の加川真美と篠井凛と出くわす。
どうやら、去年、学校の屋上から転落事故で他界した霊が出たと騒いでいるらしい。

冗談半分に受け流して、ジュースを買いに向かう俊樹。
その先に、霊が出たと言う事故のあった屋上へ続く階段があった。
そのとき、足元をすっと白い影が通った。
よく見ると、それはこの学校に長年住み着いている白猫だった。
― 霊なんて蓋を開ければこんなもんだろ。
そう思いながら、その白猫を追って屋上へ辿り着く。
普段、そこへは足を踏み入れない俊樹だったが、
屋上から見下ろす海があまりに綺麗で、フェンスへ近づいていった。

「あんまりそっちに近づくと危ないですよ」

その声の方向に俊樹が振り向くと、そこには三つ編みの小柄な少女が立っていた。
時々、どこか儚い雰囲気を漂わせる少女の名前は葉月瑞菜。

他人が苦手で、親しい友人以外とは距離を置く俊樹。
仲間と居るより、ひとりで居る事を好む瑞菜。
そんな、どこか似ているふたりの一夏が、黄金色に染まった屋上から始る―。

― 願わくば、ふたりに幸せな目覚めを… ―

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